京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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青蓮院門跡  しょうれんいんもんぜき

遠州【えんしゅう】に思いを馳せた枯山水庭園

庭の概要

所在地 東山区粟田口三条坊町
電話 075-561-2345
作庭年代 江戸中期
作庭者
様式 池泉
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 約3,000坪
公開状況 公開(有料500円)

歴史・いわれ

青蓮院門跡の画像 粟田口山麓の風情の中に優美な曲線を見せる築山のムクリ(相阿弥の庭)

 円山公園から知恩院参道を過ぎ、三条通まで続く間の神宮道は、大木で覆われた緑陰の中に長屋門や築地塀が続き、独特の雰囲気が人気のスポットになっています。その中でも青蓮院門跡の四脚【しきゃく】門や長屋門前のクスノキは、地表に沿って長く枝を広げ、根は脈々と地を這【は】い、太く伸びる様は、見る者に迫力を感じさせる景色を創り出しており、京都市の天然記念物に指定されています。


 青蓮院門跡は1144(天養元)年天台座主【ざす】・行玄【ぎょうげん】の創建するところで、平安時代後期から歴史の変遷とともに形を変えながら、この地にあり続けています。寺伝によれば庭園の作者は室町時代の相阿弥【そうあみ】で、江戸初期には小堀遠州が改修、1893(明治26)年の火災後、七代目小川治兵衛により修復されたとのことです。


 まずは、建物の中から庭を鑑賞してみましょう。廊下を進み左へ一歩入ると華頂殿【かちょうでん】の室内から池泉庭園が見えてきます。暗い建屋の中から見ると、滴るような緑のグラデーションがまぶしいくらいです。
 柱や梁が見せる絶妙の間隔や床と天井の間の取り方が、庭空間を広く変化に富んだ風景に見せています。これが「生け捕り」という日本庭園の技法を使った、日本文化の誇る「庭屋一如【ていおくいちにょ】」の景です。
 座敷の中や廊下の様々な場所に座って、ゆっくりと楽しんでください。


 大きな曲線を見せる築山と池、右手には大きなアカマツの美しい幹肌が視線を誘います。
 縁先まで出てみると、背景は深い森になっており、その樹林の隙間から小さな滝が流れだしています。池に流れ落ちる滝口は低い大きな一枚岩で、中島の岩と手前の船着き岩、滝口左の平らな草地等が、水面と高さを変えた幾つかの水平線を創り出し、築山の曲線をより大きく、美しく見せています。渡り廊下を通り小御所へ渡る途中も、この眺めの変化に目が離せません。


 室内からの景を楽しんだ後は、池泉庭園から流れをさかのぼってキリシマツツジのたくさん植えられた「霧島の庭」、山裾に佇【たたず】む「好文亭」周辺の露地庭園などを巡ることができます。この道中にある石組や灯篭は歴史を感じさせる優雅な趣きがあり、室内とは違った粟田口【あわたぐち】山麓【さんろく】の雰囲気を堪能できるのではないでしょうか。

見所・みどりの情報

青蓮院門跡の画像 「庭屋一如(ていおくいちにょ)」の景を楽しむ
 2014年10月には、飛地境内の東山将軍塚に京都東山青龍殿が落慶【らっけい】され、青不動復元模写が初公開されます。古色豊かな青蓮院門跡の建物や庭を楽しんだ後には、少し足を延ばして現代に蘇る平安時代の色彩を体験してみませんか。

京の庭を訪ねて

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