西村家庭園 にしむらけていえん
庭の概要
所在地 | 北区上賀茂中大路町 |
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電話 | |
作庭年代 | |
作庭者 | |
様式 | 池泉式 |
寺社の創建年代 | |
文化財指定・登録状況 | 京都市名勝庭園(1986年指定) |
敷地面積 | 1,282㎡(文化財指定部分) |
公開状況 | 現在非公開(2020年公開終了) |
歴史・いわれ
西村家庭園は、上賀茂神社(賀茂別雷【かもわけいかづち】神社)の南側、明神川沿いにある社家町(神社の神官や氏子たちの住む屋敷町)の一画にある庭園です。
上賀茂神社の社家町の成立はかなり古くまで遡【さかのぼ】りますが、現在見るような形になったのは江戸時代です。この地区は1988年、重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
西村家庭園のある敷地は、明治時代の後半、西陣で織物業を営んでいた西村清三郎(7代目)が、社家の錦部【にしごり】氏と西池氏から別邸として利用するために買い求めたものです。清三郎氏は、この別邸を自分の好みのままに造営するではなく、江戸時代以降も残っていた庭園をなるべく保存しながら、主屋【しゅおく】を建て、庭園の再整備を行いました。
庭園は、敷地の中ほどにある主屋の北、南、西の3方に分かれます。
このうち北庭は、上賀茂神社の御神体である神山【こうやま】になぞらえた、神々の御霊が降りるという降臨石が据えられ、神官が神社に赴く前に禊【みそぎ】を行う石組の水垢離【みずごり】場がこしらえられています。
この降臨石は座敷の正面に位置して、庭の木々の間から眺めることができます。かつて水垢離の水を汲【く】んだと考えられる流れは比較的幅広い二筋の遣水【やりみず】となっており、実用と観賞の用を果たしていました。
一方、南庭はやや小さな滝石組を有し、木々に囲まれた居心地の良い池庭です。西村家では月見などを催していたそうです。
西村家庭園は、随所に社家の特徴を残し、景観的にも優れた貴重な庭園であり、1986年、京都市の名勝に指定されました。