閑院宮邸跡西側庭園 かんいんのみやていあとにしがわていえん
庭の概要
所在地 | 京都市上京区京都御苑 |
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電話 | 075-211-6348 |
作庭年代 | 明治~大正時代 |
作庭者 | |
様式 | 池泉回遊式 |
寺社の創建年代 | |
文化財指定・登録状況 | |
敷地面積 | 約1,900㎡ |
公開状況 | 公開中(無料) |
歴史・いわれ
2014年春、京都御苑の西南角の閑院宮【かんいんのみや】邸跡西側に新しい庭がお目見えしました。閑院宮邸跡は丸太町通の間ノ町口から入った所に門を構える公家屋敷で、東京遷都で取り壊された屋敷町の中で現在もその姿を見ることのできる数少ない施設です。破損が激しかった姿を全面復元し、復元整備の様子や御苑の歴史についての興味深い資料のほか、京都御苑の自然や環境についても展示し、2006年から一般公開されています。
この公家屋敷の南側に広がる緩やかな起伏の芝庭や長い洲浜(すはま)と島のある池を通り、蔵の奥に進むとひっそりとその庭があります。宮内省京都事務所長官舎の庭園として大正時代に作られたと伝えられていますが、大きな樹木に囲まれた小さな池泉庭園で、この春復元を終え閑院宮邸との間にあった壁も撤去して一体として公開されています。エノキの大木を中心とした樹林を山としてとらえ、その足元から人里を表現した優しい草地へと、清らかな水が流れ出してきます。この流れには寝殿造りの庭園にも見られた「遣水【やりみず】」の手法が使われており、小さいながらも自然を感じさせてくれます。
撤去された官舎の部屋割りが木枠で示され、案内板にも説明されていますので、建物があった時のように玄関から入り、居室や客間からの眺めを楽しんでみてはいかがでしょうか。居室縁側に出て、縁先手水鉢を使う位置から見ると大木に守られたような庭園の全景が見えてきます。樹林の大きな緑陰と手前の明るい池泉や芝地が、絶妙の構成美を創り出しています。この縁側は居室を回り込むように設けられていたので、四季の風情が楽しめるようになっていたそうです。
大きな樹木と林床の木漏れ日が見せる涼やかな空間が閑院宮邸から続いています。現況の樹木や空間を利用して明治・大正時代の開放的な雰囲気と美しさが作り出されました。お公家さんの雰囲気を味わえる九條邸や閑院宮邸と共に、ゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
見所・みどりの情報
