瑠璃光院 るりこういん
庭の概要
所在地 | 左京区上高野東山55番地 |
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電話 | 075-781-4001 |
作庭年代 | 昭和初期 |
作庭者 | |
様式 | 池泉庭園 |
寺社の創建年代 | |
文化財指定・登録状況 | |
敷地面積 | 約3.6ha(敷地全体) |
公開状況 | 平成25年秋より非公開 |
歴史・いわれ
高野川の上流に位置する八瀬は、平安時代から貴族たちに愛されたところです。
建物は大正末期から昭和初期に大改修が行われた数寄屋建築で、数年前に無量寿山光明寺【むりょうじゅさんこうみょうじ】の京都本坊「瑠璃光院」として庭園も再整備されました。
見所・みどりの情報
叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」から緑陰に囲まれた川を渡り、5分ほど歩くとモミジの枝葉が薄絹のようにかかった瑠璃光院の瀟酒な山門が現れます。一歩踏み入れると別世界が幕を開け、「山露地の庭」の始まりです。
山門からしっとりとした石段が緩やかなカーブを描いてモミジやアセビの林に消えてゆき、道端の山肌には猩々袴【ショウジョウバカマ】などの山野草が咲き競っています。歩を進めると途中には小さな庭門があり、覗き込むとちょっと変わった釣灯篭とかわいい露地庭が茶室へと誘います。石段を登りきると比叡山麓からの清流が小さな滝を作り、その澄んだ水は木陰に憩う錦鯉の美しさを際立たせています。
庭園は「庭屋一如【ていおくいちにょ】」を見事に現しており、建物と庭の一体になった景は、見事な空間美を構成しています。建物のあちらこちらにバランスよく設けられた小さな窓や大きな開口部から望む世界は、まぶしいほどの光にあふれ、植物の生き生きとした色と形、それが作り出す影が、庭空間に広がりと深みを持たせているのです。日本の庭園技法である「生け捕り」「見え隠れ」が使われているので、探してみてください。
主庭「瑠璃の庭」は瑠璃色に輝く浄土を現した庭園です。書院の2階から全体を俯瞰し、1階に下りて数十種の苔の作り出す色鮮やかな地模様とモミジの陰影や奥行きをゆっくり体感しましょう。この苔の庭は庭師が7年かけて育てたそうで、苔でこのような美しい世界を創出する技は驚きです。本堂の阿弥陀仏を拝観して渡り廊下を進むと、窓からは山麓を彷彿とさせる景色が望め、次の展開を期待させます。
順路に沿って階段を下りると茶室「喜鶴亭【きかくてい】」と「臥龍【がりょう】の庭」に至ります。苔むした山肌から滴り落ちた水滴が高低差のある庭の流れとなり、水辺の植物との組み合わせが美しい景となっています。茶室の入り口は露地になっており、「山露地の庭」の途中にあった庭門へと続いています。
瑠璃光院は春と秋に特別拝観が予定されています。花吹雪の春と紅葉の秋、京都の奥座敷を訪ねてみませんか。