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龍源院庭園  りょうげんいんていえん

室町時代の須弥山とモダンな枯山水庭園

庭の概要

所在地 北区紫野大徳寺町
電話 075-491-7635
作庭年代 室町時代(方丈北庭)
作庭者
様式 枯山水
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積
公開状況 公開(350円)

歴史・いわれ

龍源院庭園の画像 大胆なデザインで構成された蓬莱思想の南庭

 大徳寺は、臨済宗大徳寺派の大本山で山号を龍宝山【りゅうほうざん】といいます。勅使門【ちょくしもん】の前にある龍源院は、境内塔頭【たっちゅう】では最も古く1502(文亀2)年創建、室町時代の禅宗方丈建築の遺構として唐門【からもん】や方丈が重要文化財に指定されています。書院の南には軒先庭、方丈を取り巻くように南庭、西の開祖堂前庭、北庭、東の坪庭が展開しています。

 拝観入り口から黒光りする廊下を進むと左手に書院があり、その縁先に滹沱底【こだてい】と名付けられた庭が隠れています。展示されている日本最古の種子島銃や秀吉・家康が対局した四方蒔絵の碁盤に目を奪われていると見逃がしてしまいそうな狭い庭ですが、両端に配した聚楽第【じゅらくだい】の礎石を深い砂紋で繋ぎ、阿吽【あうん】の庭とも呼ばれているそうで、何やら奥が深そうですね。配置された石や砂紋の模様、庭の名前までもが禅問答を問いかけているようです。左端には重量感のある土塀を美しいヒバの枝葉が遮り、彩りを添えています。

 方丈の南庭は一枝担【いっしだん】とよばれる大きな石庭です。中央右奥に蓬莱山を表した立石組、左手前には大きな円形の苔と2石で亀島、右手前に鶴島の2石組、合計七石を白川砂の大海に配しています。大胆なデザインですが空間の構成がしっかりしているので、どの場所から見ても、ゆっくり対座できる景となっています。
 おすすめは広縁【ひろえん】からの景。大きな立石を中心に、寄り添った石や円形の苔島、陰影の深い砂紋が、土塀と左奥のカシの刈込、唐門や方丈などの建物に枠取られて力強い景を創りだしています。それぞれの石組みも素敵なので広縁に腰かけ、少しずつ移動しながら目前で鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 北庭は青々としたスギゴケで覆われた龍吟庭【りょうぎんてい】で、背景の土塀の前に石組みが点在しています。小さな石なので素通りしてしまいそうですが、それぞれの正面から注視してみると、サツキや苔の中から顔を出す石組達は力強く、何かを物語っているようです。庭の説明書きに「室町時代に作られた須弥山【しゅみせん】形式の枯山水で大徳寺の中でもっとも古い真の禅院庭園」とあるように、この禅院の主庭なのです。
 特に印象的なのは中央の三尊石組【さんそんいしぐみ】で、高く傾斜して立つ岩が須弥山、苔の大海原に浮かぶ九山八海【くせんはっかい】を表す枯山水の名園と評価されています。左の穏やかな景に比べ、中央の立石を中心とした石組群は人を寄せ付けない厳しさを感じさせ、神仙の世界を彷彿とさせるようです。
 でも見立ては自由。何に見えますか?岩山か枯滝、または龍が雲間から頭をもたげている姿でしょうか。左手奥にはモチの古木があり、右はツバキの刈込が景を引き締めており、時の流れを物語っているようです。

 想いを残しながら右に回ると、方丈と庫裏の間に小さな壺庭、東滴壺【とうてきこ】があります。四方見【しほうみ】の庭で二石と三石組を白川砂の砂紋が繋いでいます。小さな庭ですが、見ごたえのある趣があり、重厚な建物に囲まれた中に名前のごとく潤いを与えているような気がします。

見所・みどりの情報

龍源院庭園の画像 室町時代の様式を伝える北庭の須弥山石組
 それぞれの庭が斬新なデザインで、力強く建物と一体となった独特の景を作り出しています。ゆったりした時間の中で自由な発想を持ち、禅の石組みと対座してみてはいかがでしょうか。

京の庭を訪ねて

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