京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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平安神宮神苑  へいあんじんぐうしんえん

平安時代の優美な姿を伝える庭

庭の概要

所在地 左京区岡崎西天王町
電話 075-761-0221
作庭年代 1895(明治28)年
作庭者 小川治兵衛(7代目)
様式 池泉回遊式
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 33,000㎡
公開状況 公開(有料600円)

歴史・いわれ

平安神宮神苑の画像 大空に飛び立つように水面に映る鳳凰と泰平閣

 明治維新により千年以上続いた都が東京に移り、失意に沈んだ京の復興をかけ近代文明を支える事業が興され、岡崎の地でも水運のための疎水【そすい】や発電など様々な開発が行われました。1895(明治28)年には平安遷都千百年祭が行われ、記念事業として桓武天皇の偉業を称えた平安神宮が創建され内国博覧会【ないこくはくらんかい】の主会場ともなっています。
 碧瓦本葺【みどりがわらほんぶき】、朱塗【しゅぬり】の建築群は平安時代後期の後白河法皇の頃の内裏【だいり】を模したもので、応天門を抜けると白砂の広場に大極殿【たいきょくでん】と両翼の蒼龍楼【そうりゅうろう】、白虎楼【びゃっころう】が迎えてくれます。千百年祭では神苑は西神苑【にししんえん】・白虎池【びゃっこいけ】と中神苑【なかしんえん】・蒼龍池【そうりゅういけ】が社殿の両側にあるだけでしたが、1916(大正5)年までに白虎池と蒼龍池をつなぐ流れや栖鳳池【せいほういけ】・東神苑【ひがししんえん】が作られ、広大な池泉回遊式庭園が完成しました。作庭にあたったのは明治・大正の名匠・七代目小川治兵衛(通称「植治」)で、無鄰菴や円山公園など南禅寺周辺で多くの作庭を行っていますが、いずれも疎水の豊かな水に着目したものでした。

 大極殿西の回廊から神苑に入ると紅枝垂桜【べにしだれざくら】の林に出ます。1981(昭和56)年に整備された南神苑【みなみしんえん】で、古典に因【ちな】んだ植物も植えられています。
 続く西神苑は花菖蒲が連なる白虎池があり、花の時期には八つ橋が掛かり雅な風情を楽しむことができます。北の樹林から落ちる滝に誘われ背後に回ると緑陰につつまれた世界で、小振りながら力強い護岸石組の流れと優しい小道が続きます。
 その先はカキツバタが見事な中神苑の蒼龍池で、珊瑚島へ渡る臥竜橋【がりゅうきょう】は三条大橋の橋脚【きょうきゃく】を沢飛【さわとび】に用い、力強く美しい景を作りだしています。少し怖いかもしれませんが飛び乗り「龍の背中に乗って池に映る雲間を舞う」という植治の作庭意図を味わってみてください。
 先に進み樹林を抜けると急に景色が広がり、大きな栖鳳池に橋殿【はしでん】・泰平閣【たいへいかく】が架かった東神苑に出ます。泰平閣の中央には屋根に鳳凰【ほうおう】を頂く楼閣【ろうかく】があり、東山連峰を借景に池畔の建築群と松島の雄大な眺めが広がります。泰平閣の縁に腰かけ、池の鯉を眺めながら舟遊びの風情を楽しむのも一興です。

見所・みどりの情報

平安神宮神苑の画像 「龍の背に乗り雲間を舞う」力強い沢飛
 四月には谷崎潤一郎の「細雪【ささめゆき】」で描き出された紅枝垂桜、五月には花菖蒲やカキツバタ、その他にも古典の花が咲き乱れます。  池には疎水から運ばれてきた琵琶湖シジミや絶滅の危機にあるイチモンジタナゴなど琵琶湖の生物たちも生息しており、広い神苑では様々な楽しみがあります。  平安京を彷彿【ほうふつ】とさせる雅【みやび】な世界をゆっくりと楽しんでください。

京の庭を訪ねて

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広報誌「京のみどり」

広報誌「京のみどり」2021年冬 97号

2021年冬 97号
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