京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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北村美術館「四君子苑」  きたむらびじゅつかん「しくんしえん」

庭の概要

所在地 上京区河原町今出川南一筋目東入梶井町
電話 075-256-0637
作庭年代 昭和
作庭者
様式 露地・池泉
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 約1,820㎡
公開状況 通常非公開(春と秋に公開期間あり)

歴史・いわれ

北村美術館「四君子苑」の画像 大ぶりな飛石と石造美術品で見せる玄関の庭

 賀茂川と高野川が合流する出町柳の少し下流、西岸の濃い緑の中に昭和の数寄者【すきしゃ】※1 ・北村謹次郎【きんじろう】氏の旧邸・四君子苑があります。


1944年(昭和19年)に京数寄屋【きょうすきや】※2 の名人・北村捨次郎【すてじろう】棟梁により完成されましたが、戦後の進駐軍による接収・改造を経て、1963年(昭和38年)には近代数寄屋建築の第一人者・吉田五十八【いそや】設計の母屋【おもや】が完成、合わせて鬼才と呼ばれる佐野越守【えつしゅ】が作庭し現在の姿が誕生しました。
 数寄屋建築の2人の名人芸と、施主の趣向に沿って越守により収集された石造美術品が一度に見られることで、建築家や造園家には垂涎【すいぜん】の的となっています。


 西に向いた長屋門をくぐると、しっとりとした緑陰の中に数寄の世界が広がり、既に名品が見え隠れしています。急がず立ち止まって、門のしつらえやその場からの景もじっくり味わってください。
 大ぶりな飛石で構成されたアプローチは建物や稲穂垣の水平なラインを際立たせて三方向に分かれ、それぞれが美しい景を創り出しています。
 左方向に進むと力強い腰石の土塀や金棒石で畳み込まれた延段【のべだん】の舗石【しきいし】を愛でながら玄関へ向かいます。母屋の薄暗い玄関土間やホールはもちろん、室内からの景色も楽しんでください。
 右は茶室への露地庭となっています。渡り廊下の先には腰掛待合【こしかけまちあい】があり、内露地へ入り茶室「珍散蓮【ちんちれん】」へ続きます。雁行【がんこう】する建物と庭が入り組み、次から次へと視線を誘って訪れた人を奥へといざなってくれます。
 待合の左は母屋との間に池泉庭園が広がり、池に張り出した茶室が美しい景を創り出しています。この茶室の床下からは小川が注ぎ込み、涼やかな水音が趣を深めます。


 薄暗い茶室西の広縁に入ると、様々な大きさの開口部が明るい池泉の景を切り取って見せてくれ、足元には四半張【しはんばり】※3 焼杉床板の木目がきれいに浮かびます。小川の上流は赤い石が敷き詰められており、水が赤く染まっているように見えるのも一興です。
 さらに進むと賀茂川に面した庭を持つ広間に出ます。緩やかなカーブを見せる大刈込のかなたには東山の峰々が借景として取り込まれ、大文字を見ることもできるそうです。真黒石【まぐろいし】で畳まれた軒内も美しいラインを創り出しており、石と石の角、目地の美しさも堪能してください。


 近代数寄者の世界に触れることのできる興味深い庭園です。

※1 数寄者・・・風流人。とくに茶の湯に熱心で名物道具に造形が深い人。

※2 京数寄屋・・・茶道の興隆とともに茶室の様式として発展した数寄屋建築の中で、京都の技術・技能が集積された造りのことをいう。

※3 四半張・・・四角形のタイル等を45度の角度で敷き並べて仕上げる方法。

見所・みどりの情報

北村美術館「四君子苑」の画像 開口部が作り出す池泉の景
 数寄者としての施主の美意識と力強く個性的な名品を組み合わせた庭屋一体の景は、どこに目をやっても時を忘れてしまいそうです。石造美術品などの名品はたくさんあるので触れていませんが、案内書を見ながらじっくりと鑑賞することをお勧めします。

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