京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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梅小路公園・朱雀の庭  うめこうじこうえん・すざくのにわ

庭の概要

所在地 京都市下京区観喜寺町
電話 075-352-2500
作庭年代 1994(平成6)年
作庭者 吉田昌弘(設計) 井上剛宏(造園)
様式 池泉式
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 約9,000㎡
公開状況 9:00~17:00 (最終入園16:30) ※月曜休

歴史・いわれ

梅小路公園・朱雀の庭の画像 西側から南の方向を見る。夕陽に映えたアカマツが、枯流れや亭とあいまって奥行きを感じさせる。

 京都駅からJR嵯峨野線(山陰本線)で少し西へ向かうと、車窓から北方に、梅小路公園の芝生広場や樹林を見ることができます。
 ここ梅小路の周辺は、平安京の羅城【らじょう】門や朱雀大路、大河ドラマの主人公、平清盛の邸宅を含む西八条第【にしはちじょうてい】がありました。また、中央卸売市場に代表されるように近代まで物流の中心地として栄えてきたところです。

 京都には多くの日本庭園があり、世界中から観光客が訪れます。それは、平安から鎌倉、室町、桃山と、歴史の中でそれぞれの様式美を備えた建物と庭園が文化として受け継がれ、脈々と生き続けているからなのでしょう。

 そして現代、「鳴くよウグイス平安京」の平安建都(794年)から1200年、梅小路の地に時代が求める平成の庭として「朱雀の庭」が誕生しました。
 敷地は、旧国鉄貨物駅跡地で、蒸気機関車を保存する梅小路蒸気機関車館が隣接しています。
 市民が利用する公共の庭をコンセプトに、京の町衆に根付く芸能文化「風流【ふりゅう】」、「婆娑羅【ばさら】」、「傾奇【かぶき】」などの文化思想を背景として、琳派【りんぱ】(※1)のデザインを基調に計画が進められ、長年京都で培われた庭園の技術・技法が採り入れられました。

 この庭には建物「緑の館」をはじめとして水鏡、野筋【のすじ】、紅葉渓【もみじだに】、滝などの見どころが多くあり、散策すれば色々な視点で素晴らしい景が楽しめますが、春前の時期のお勧めはアカマツの林です。
 落葉樹が葉を落とし、枯流れ(※2)が奥行きを増して陰影を深めています。夕方になるとアカマツの幹に夕陽が映え、素晴らしい景色が楽しめます。

 平成の時代を代表する「朱雀の庭」を訪れ、伝統的な日本庭園との違いや町衆文化のデザインを探してみませんか。


(※1)琳派......光琳派。桃山~江戸期の京都を中心とする絵画・工芸の流派。俵屋宗達(たわらやそうたつ)、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の影響を受け、尾形光琳(おがたこうりん)が大成した。きらびやかな色彩、装飾的な意匠などが特徴。
(※2)枯流れ......枯山水の手法で、石、砂で水の流れを表現したもの。

見所・みどりの情報

梅小路公園・朱雀の庭の画像 西側から東の方向を見る。黒御影石を張った水鏡(浅池)の向こうは野筋(野山、丘を表現したもの)。
 この庭が生まれて15年以上経ち、植物たちもすっかり落ち着きました。樹木も当然勢いを増し、大きく育っていますが、庭園内では伸ばし放題にはできません。狭い庭園空間と数本の樹木で大きな自然を感じられるように、手入れをする必要があります。   このアカマツも昨年までは緑の葉が茂りすぎて見通しが悪くなり、松林の美しさを感じる事が出来なくなっていましたが、今冬、京の庭師の技で大きく「枝透かし」(※3)が行われ、奥行きが作り出されています。  赤い幹肌に明るい緑の葉が掛かり、奥深い松林の佇【たたず】まいと松葉を揺らす風を感じる美しい姿に生まれ変わりました。 (※3)枝透かし……景の骨格となる自然な陰影を創りだし、また、柔らかい樹形となるように枝を落としていく京都の伝統的な剪定法。

京の庭を訪ねて

庭園を通じて京都の緑や「緑の文化」に触れてみませんか?

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