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泉涌寺御座所の庭  せんにゅうじござしょのにわ

庭の概要

所在地 京都市東山区泉涌寺山内町
電話 075-561-1551
作庭年代 1884(明治17)年
作庭者
様式 池泉式
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 約730㎡
公開状況 9:00~16:30(ただし12月から翌年2月までは16:00まで) ※御座所の拝観は特別拝観となるため、境内伽藍の拝観と日程や規定が異なります。詳しくは泉涌寺のホームページなどでご確認下さい。

歴史・いわれ

泉涌寺御座所の庭の画像 御座所南側廊下より南東方面を見る。築山に配されたモミジが鮮やかに色づき、庭に奥行きを感じさせる

泉涌寺は東山の一角、月輪【つきのわ】山の麓【ふもと】に位置する寺院で、皇室の菩提所【ぼだいしょ】ともなっていることから「御寺」とも呼ばれます。

創建については、天長年間(824~834)に空海が草庵を結んで法輪寺と号したのに始まると伝えられ、やがて仙遊寺に名が改められます。
そして1218 (建保6) 年に泉涌寺開山となる俊芿【しゅんじょう】が仙遊寺の地を寄進された際に、名を泉涌寺に改め、喜捨を募って大規模な伽藍の造営を行い、その礎を確立しました。
その後は、歴代の天皇・皇后の葬儀とともに陵墓の造営も行われ、皇室の菩提寺、いわゆる香華【こうげ】の寺としての格式を伝えてきました。


現在の伽藍は、江戸時代の寛文9年(1669)に再興されたものが基本となっており、明治までに3度焼失しますが、そのつど復興されて今に至っています。


泉涌寺道を上っていき、やがて大門を潜ると、仏殿、舎利殿と並んだ奥に御座所の建物があります。この御座所とその東側の海会堂【かいえどう】に南面して池庭が作られています。


海会堂の場所には、もともとは大方丈が建っており、庭園が作られていたようです。ただ、江戸時代の資料には「前栽」【せんざい】(*)とあることから、草花や樹木を植えた簡素な庭だったようで、今に見る池庭は、1882 (明治15)年に焼失し、1884 (明治17) 年に再興された際に作られたものと考えられます。

*前栽(せんざい、ぜんさい)…建物の周囲に植えられた草花や低木。また、それらが植えられた小庭。 

見所・みどりの情報

泉涌寺御座所の庭の画像 池傍にある雪見燈籠。仙洞御所から移されたもので、八角型で重厚感がある。この型の燈籠を一般に泉涌寺(雪見型)燈籠と呼ぶ

庭園は、池とその背後に築かれた低い築山を中心に、ほぼ一面が苔敷の中に、モミジやマツなどの高木、サツキツツジやドウダンツツジ、ウメモドキなどの低木が植えられた穏やかな雰囲気の庭園です。御座所の縁の脇には元禄10年(1697)の銘の入った青銅製の水鉢が、池の傍には、かつての大方丈の庭に据えられていた雪見燈籠が据えられており、庭園全体も江戸時代からの伝統的な技法をもとに作られています。


秋には、モミジが真っ赤に色付くなど、泉涌寺の御座所の庭は、香華の寺の庭にふさわしく、穏やかな中にも華やかさを感じさせる庭園となっています。

 

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