京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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白沙村荘  はくさそんそう

庭の概要

所在地 京都市左京区浄土寺石橋町37
電話 075-751-0446
作庭年代 大正~昭和初期
作庭者 橋本関雪
様式 池泉回遊式
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況 国の名勝
敷地面積 約6,000㎡
公開状況 公開(有料)

歴史・いわれ

白沙村荘の画像 存古楼(ぞんころう)と周辺の紅葉(橋本関雪記念館提供)

白沙村荘は、京都東山の麓、慈照寺(銀閣寺)に程近い場所に位置する、明治から昭和初期にかけての近代の京都画壇で独自の画風を築いた橋本関雪(明治16年~昭和20年・1883~1945年)の本邸です。

 

関雪が白沙村荘の敷地を手に入れたのは大正5年(1916年)のことで、まず北半分の敷地を入手すると、関雪は自ら指揮して、池を作るなどの作庭を行い、いったん庭園を完成させます。さらに、昭和5年(1930年)には南続きの敷地を入手して、北側の敷地につなげる形で池を広げるなどして庭園を作り直し、蒐集した石造品を随所に据えつつ、庭園を完成させました。

 

関雪は、晩年に「庭を造ることも、画を描くことも一如不二(いちにょふじ)のものであった。」と語ったように、作庭にあっても飛び抜けた才能を持っていたようで、白沙村荘以外にも、蟹紅鱈白荘(兵庫県明石市)、走井居(滋賀県大津市)、冬花庵(兵庫県宝塚市)といった別荘を営み、それぞれで庭園を造っています。

 

白沙村荘の庭園を作る際に、京都市内の静原に石を見に行った時、その場で目星をつけた数十個の石に番号を付けた上で、庭のどこに石を据えるかを指示し、実際に石の据え付けを行うとほとんど指示した位置に変わらない場所に石がおさまったといいますから、その画才にふさわしい想像力が庭園にもいかんなく発揮されたと思われます。

見所・みどりの情報

白沙村荘の画像 存古楼内部(橋本関雪記念館提供)

庭園は、敷地のほぼ中央にある、関雪の画室であった「存古楼(ぞんころう)」を中心に、東側に、2方から流れを引き入れた「芙蓉池(ふようち)」の水が、石橋の下をくぐって南の池に流れ込むという構成になっています。また、園内には中国的な雰囲気を漂わす「問魚亭(もんぎょてい)」などの建物も配され、園内にはマツやサクラ、モミジが植えられ、春の新緑や、秋の紅葉の時期には、ことのほか風情を感じさせます。池に架かる石橋の南北で、作庭された時期が異なるにもかかわらず、違和感なく全体の風景が調和している点も関雪の作庭の技量が窺えるところです。水はもともと敷地東側及び北側を流れる琵琶湖疏水の分線が利用されていましたが、現在は敷地内の井戸水でまかなわれています。

 

さらに、園内各所に配置されている石造物、重厚な石橋、竹や笹の林、白松(ハクショウ)などが醸し出す庭園の風景は、中国にたびたび旅行し、中国の風物を体感してきた関雪ならではの工夫といえます。中国の文人世界の雰囲気を創り出しているとも考えられます。関雪は石造品を大変好んだようで、正門をやや入って左側の国東大石塔をはじめ、平安時代後期から室町時代の初めにかけての石塔や層塔、宝篋印塔、燈籠が据えられています。また、少し変わったものとして、石造の碁盤が置かれている点も文人的な意匠といえるでしょう。

文化財の指定/関連の文化財

関雪が中国の風物なども踏まえながら、独自の感性によって作りあげられた白沙村荘は、近代の庭園の中でも独自の美しさを示す庭園として、平成15年(2003年)には国の名勝にも指定され、現在に至っています。

引用・参考文献・資料提供

【引用・参考文献】
・京都美術精觀、1920、美術タイムズ社
・泉石雅觀、1922、城丹公論社
・日本庭園歴覧辞典、重森三玲、1974、東京堂出版
・京都市の文化財(第1集)、京都市文化観光局文化財保護課、1983
・中根金作京都名庭百選、1999、淡交社
・京都を中心にした近代日本庭園の研究、小野健吉、2000、奈良国立文化財研究所
・庭園学講座12近代庭園と煎茶、2005、京都造形芸術大学・日本庭園研究センター
・史迹と美術第77輯ノ7「近代庭園における煎茶の影響(中)」、霊鷲弘義、2007、史迹美術同攷会

【取材協力および資料提供】
白沙村荘 橋本関雪記念館

周辺マップ

他サイト参考情報

見学のガイド

白沙村荘(橋本関雪記念館)

白沙村荘の概要と庭園の紹介ページ

京都観光Navi(白沙村荘 橋本関雪記念館)

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