京の庭を訪ねて:庭園を通じて京都の「緑の文化」に触れてみませんか?

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城南宮神苑「楽水苑」  じょうなんぐう らくすいえん

庭の概要

所在地 京都市伏見区中島鳥羽離宮町
電話 075-623-0846
作庭年代 本文参照
作庭者 中根金作
様式 池泉式、枯山水
寺社の創建年代
文化財指定・登録状況
敷地面積 約4,000㎡
公開状況 公開(有料) 

歴史・いわれ

城南宮神苑「楽水苑」の画像 本殿東側「平安の庭」

城南宮は方除(ほうよ)けの神社として有名です。社伝によれば、創建は、平安京遷都に際し、国常立尊(くにのとこたちのみこと)、八千矛神(やちほこのかみ)、神功皇后(じんぐうこうごう)を合わせて祀(まつ)ったことによります。確実な記録としては11世紀末に白河上皇・鳥羽上皇によってこの付近に作られた鳥羽離宮の鎮守社として祀(まつ)られたことが記されており、その後、離宮の繁栄とともに発展しました。

 

白河上皇が院政を敷いた鳥羽離宮は南北朝時代にはすたれましたが、城南宮の信仰は脈々と受け継がれ、江戸時代には祭礼も再び盛大になりました。江戸時代末には、鳥羽伏見の戦い(1868年)で薩摩藩が参道に陣を構えて徳川軍を迎えうつなど大きな歴史の転換点の舞台になってきました。

 

庭園史上、その広大さや華麗さで名高かった鳥羽離宮の鎮守であり、御殿から船に乗って城南宮に参拝した記録も残っています。

 

現在は社殿を取り囲むように、神苑である楽水苑が作られていますが、大きな一つの庭としてではなく、それぞれ区画された趣きの異なる5つの庭から構成され、それぞれの情趣を楽しむことができます。

 

この楽水苑の庭は、造園家・庭園研究家として名高い中根金作氏の設計・施工によるもので、修行の場としての庭ではなく、「参拝に来た人々の休息・憩いの場としてほしい」という城南宮の希望に沿って作られました。

 

楽水苑は、5つの庭から成ります。初めに作られたのは、「室町の庭」、「桃山の庭」の2つで、昭和29~35年(1954~60年)の間に作られました。「室町の庭」はやや複雑な曲線を持つ池を中心した庭、「桃山の庭」は水を使わずにソテツの木と刈り込みを中心とした芝生の庭という具合に、それぞれの時代の様式にならった庭園が作られています。

 

その後、この2つの庭に加えて、大きななだらかな曲線を持つ池を中心とした「平安の庭」や、「城南離宮の庭」、「春の山」と名づけられた庭が作られました。「城南離宮の庭」は離宮の風景と建物を石組で表す枯山水の庭です。また、「平安の庭」には曲水の流れも作られ、昭和45年(1970年)から平安貴族の優雅な行事である「曲水の宴」の再現が行われるようになりました。

 

これらの庭には、源氏物語に記されている草木も植えられ、それらの花が目を楽しませてくれますが、ウメの花の咲く春先や、新緑、紅葉の時期はまた格別です。

 

城南宮の池は地下水を利用しているので、冬の特に寒い日には、地下から汲み上げた池の水が湯気を立て、何ともいえぬ風情となります。

見所・みどりの情報

城南宮神苑「楽水苑」の画像 境内の南側「室町の庭」

苑内には『源氏物語』に登場する大半の植物(100余種)が植栽されています。ムラサキやミクリなど京都盆地でもほとんど見られなくなった植物を守り、植物文化への関心を高めようと、昭和57年(1972年)、「源氏物語植物保存会」が専門家の協力を得て結成されました。会報を年2回発行するほか、秋の観月会などのイベントも行っており、会員を募集しています(事務局は城南宮内)。

 

冬のヤブツバキ、2月下旬からの150本にも及ぶシダレウメ、4月のベニシダレザクラ、秋の紅葉など樹木のほか、水辺のカキツバタ、初夏のササユリ、秋のリンドウ、ツワブキなど、可憐な花を1年を通じて楽しむことができます。

手入れのポイント

クロマツなどが城南宮の外周をぐるりと囲んでいますが、近年、周辺の開発が進んできたため、境内の外にある建物が見えないよう、落ち着いたたたずまいを残すために、植樹に留意しているそうです。

 

驚かされるのは、境内の生垣の刈り込みや剪定を、基本的に機械を使わず、はさみだけの手仕事で行っていることです。業者さんの手間も大変なようですが、それだけに刈り込みの姿などには柔らかみがあり、境内はいつも静かな雰囲気を味わうことができます。

文化財の指定/関連の文化財

城南宮の周囲の鳥羽離宮はすでに失われていますが、建物や池の跡は遺跡となって、発掘調査で多くの遺構が発見されています。その中でも南殿とその付近の池の部分は、国の史跡に指定され、特に保存が図られています。

引用・参考文献・資料提供

【引用・参考文献】
・日本庭園史大系 第8巻 桃山の庭(1)、重森三玲・重森完途、1971、社会思想社
・庭、中根金作、1973、保育社
・日本の庭園(下)名庭鑑賞、1994、日本通信教育連盟
・京都・山城寺院神社大辞典、1997、平凡社

【取材協力および資料提供】
城南宮
(株)中根庭園研究所

周辺マップ

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