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みどりの相談所だより Q&A

Q1~Q10 回答:村田淳子 元相談員

Q1. 鉢植えのパキラを購入したのですが、どんな注意が必要ですか?
 パキラは熱帯アメリカ原産の常緑果樹です。果実は10〜20cmぐらい。いっぱいタネが入っていて、タネを煎ってカイエンナッツとして食用にしています。
パキラ・アクアティカのタネを発芽させたり、さし木で増やして鉢植えにしたものが、「あかちゃんパキラ」としてお目見えしています。
 もともとは果樹ですから太陽が好きですが、半日陰でも育ちますので、観葉植物として重宝されています。急に直射日光に当てますと、葉焼けし、落葉します。
 熱帯原産の植物の生育適期が5月から8月までで、このように落葉した場合は、生育適期であれば落葉した場所から6〜7mm上の枝を切っておきますと、また葉が出てきて、姿のよい釣り合いのとれた鉢物になります。
 植替え、繁殖、施肥もこの生育適期に済ませます。
10月から4月までは日あたりのよい明るい場所で明け方の最低温度が5度より下がらない工夫がいります。不織布(野菜用のベタ掛など)でカバーしましよう。
Q2. 厳しい規制を受ける「特定外来生物」にこの程新たに加わった植物のうち、スパルティナ・アングリカ Spartina angrica というものがありますが、どんな植物ですか?

外国から来た生物による生態系や農林水産業への害を防ごうという「外来生物法」(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)で、厳しい規制を受ける「特定外来生物」にこの程新たに加わった植物のうち、スパルティナ・アングリカ Spartina angrica というものがありますが、どんな植物ですか?

 イネ科で牧草に混入して外国から入って来ました。1890年にイギリスに出現したということです。
 スパルティナ・アルテニフロラとスパルティナ・マリティマの交雑種で、ニュージーランドでは、1株が30にも拡がる繁殖力旺盛な植物です。
【出典 The Plant-Book / The New RHS Dictionary of Gardening/ HORTUS THIRD】
Q3. ヒイラギの生け垣が全体に葉の色が薄くなり、部分的に褐色になってきましたが、薬品を使わずに治すよい方法があるでしょうか。
 これはテントウノミハムシ(甲虫目ハムシ科)が発生したためです。テントウノミハムシの成虫はテントウムシ(甲虫目テントウムシ科)によく似て紋は2つあります。
生け垣の株元の落葉内で越冬した成虫が卵を産み、4月下旬から5mmくらいの淡黄色の幼虫が孵化して、葉肉を食害します。6月には新成虫も発生して、これもまた10月下旬ごろまで食害します。
殺虫剤を使用しないで、幼虫、成虫を捕殺し、冬には木の地際の落葉をきれいに掃除しておきましょう。
Q4. 今年の寒さで、ベゴニア・センパーフローレンスが一部の葉と茎・根しか残っていませんが、生きていけるでしょうか。
 日本家屋では鉢を発泡スチロールに入れて、不織布、ビニル2枚を夕方から朝までかけます。朝、太陽が上ったらビニルだけ取り外し、不織布はかけたままにしておき保温します。
 水やりは、鉢全体が軽くなってから、暖かい日を選んで昼前にたっぷり与えます。少し湯を混ぜ、ぬるま湯にします。肥料は4月初めまで待ちましよう。
Q5. 我が家の柿が去年まで甘かったのに、今年はみんな渋柿になってしまいました。どうしてでしょう?
 ご近所にあった柿の木が切られてなくなったのではありませんか?
 柿には渋柿と、完全甘柿と、不完全甘柿とがあります。
柿は元来渋いものだったのですが、鎌倉時代にタネができればその周囲の果肉は甘くなる「不完全甘柿が生まれました。タネがいっぱいできれば果肉に「ゴマ」が入って甘くなるのです。
 「富有」や「次郎」はタネが入っても入らなくても甘い「完全甘柿」 ですが、雌花だけで雄花はできません。近くに雄花をつける柿の木があるから種ができるのです。
 お宅の柿は不完全甘柿で、去年まではご近所に雄花をつける渋柿か不完全甘柿があったので、その花粉をうけてタネができて甘くなっていた。それがご近所の柿の木がなくなったのでタネができないで渋くなったのでしょう。
 雄花をつける不完全甘柿には「筆柿」とか「禅寺丸」とかいう品種がありますが、今から植えたり接ぎ木をしたりというのも時間がかかります。干し柿にして楽しまれてはいかがでしょう。
Q6. 山でアケビを採ってきて植えたのですが、実がなりません。どうすればいいでしょう?
 実はアケビもムベも自家不結実なのです。つまり自分の花粉では結実しません。植物は自ら近親交配をいましめているのです。
 山に生えているのは、みんなタネから生えた実生(みしょう)ですから、遺伝的には雑多です。だから結実するにはもう一本別の木が必要なのです。
Q7. ミカンの葉に真っ黒な「すす」がつきます。原因と対策を教えて下さい。
 葉っぱの「すす」の原因はコナカイガラムシです。白い粉のような虫ですが、ミカンの養液を吸って甘い汁を出して、この汁が真っ黒な「すす」の原因になるのです。
 八月は幼虫が発生する時期ですが、この虫は暗いところが大好きです。
 なんとか日当たりをよくしてやって下さい。茂り過ぎていたらハサミでちょきちょきやるのでなく、ノコギリで太い枝を根元から間引いて下さい。くれぐれも緑の枝を途中でちょん切らないで下さい。
 日当たりがよくなれば、「すす」は消えます。カイガラムシを農薬で駆除するのは容易ではありません。日当たりをよくするのが確実な対策です。
Q8. ユズの苗木を殖えて7年になるのですが、一向に花がつきません。なぜでしょうか?
 日当たりはどうでしょう? 太陽光線の3分の1があたらないと花芽はできません。
 枝は元気に伸びていますか? 通常花芽は元気な枝の先端につきます。新しく伸びた枝が伸長をとめて、先端の芽が発育して花芽になるのです。だから新しい枝を途中でちょんぎってはいけません。
  土は固くありませんか? 排水は悪くありませんか? 花をつけるためには根が元気でないといけません。できれば堆肥などを施して下さい。
Q9. レモンの種をまいて8年育てましたが、まだ花がつきません。どうしてでしょうか?
  種をまいて出てくる実生(みしょう)は普通は雑種ですので、どんな実がなるのかわかりません。ですが、カンキツは「無性胚実生」といって、親と同じ形質をもった子どもが生まれます。 ところが実生というのはゼロ歳の赤ちゃんです。接ざ木の場合は完全に成人になった穂を接ぐのですぐに花が咲きますが、赤ちゃんは大人になるまで待たなければなりません。
 8年といえば、「中学入学おめでとう!」というくらいの年齢でしよう。根を切ったり、環状剥皮(かんじょうはくひ)といって幹のまわりを一周する傷をつけて無理やり老化させる方法もありますが、こんな乱暴なことをして枯らしては元も子もありません。せめて高校を卒業するころまで待ってやって下さい。
 なおレモンはカンキツの中でも一番寒さに弱くて、栽培されているのは瀬戸内の無霜地帯のようなところに限られています。レモンは樹勢が弱いので、産地では樹勢が強い甘夏などに高接ぎをしますが、そんな必要はないでしよう。このような点もお含みおき下さい。
Q10. 植えて5年目のスモモが盛んに芽を出して茂っています。剪定のしかたを教えて下さい。
 スモモやウメは「短果枝」といって、2センチくらいの小さな枝によくなります。1m以上も伸びている元気な枝でも、そのままにしておけば来年は先から元までずらりときれいに短果枝ができます。途中で短く切るのは大禁物です。強い枝が林立して手がつけられなくなります。
 とはいっても、長く伸びている枝を全部そのままにするわけにもいきません。あまり混みあわないように、根元から間引きして下さい。短果枝ができた枝も3年も4年もそのままにしておくと大きくなって混みあって困ります。
適宜、新しい枝と交替させてやって下さい。
なお全く放任されていた樹なら、太い古い枝がたくさんあるかもしれません。太い古い枝は思い切って、せいぜい3本くらいに整理して下さい。この場合も枝の分岐点で切り落として、株を残さないようにして下さい。そうすれば切り口は枯れ込まないできれいに癒合します。

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