「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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みどりのウォーキングマップ

西山に見守られる山里 大原野のみどりを歩く

花トピア大原野~長峰八幡宮~大原野神社~勝持寺~大蛇ケ池公園

京都市西京区、京都盆地西縁の小塩山(おじおやま)の麓(ふもと)に広がる大原野は、古くから狩り場として知られ、平安京を築いた桓武天皇も度々訪れています。平安期には、藤原氏の氏神を祀(まつ)った大原野神社へ参詣する絢爛豪華な行幸(みゆき)の様子が、「源氏物語」や「枕草子」に描かれています。竹林が多く、のどかな田園風景が残るこの一帯は、良質なタケノコの産地として知られ、花卉(かき)(切り花と花苗)を栽培するビニールハウスも見られます。近年は一帯を縦断するように京都第二外環状道路の工事が進められ、景観が大きく変わろうとしています。豊かな自然と歴史に恵まれた地で人々のさまざまな想いが交錯するなか、今年もタケノコが顔を出し、色とりどりの花々が山里を彩る季節を迎えます。やわらかな日差しの中、大原野に春を感じに出かけませんか?

img-227163646-0001.jpg(←クリックするとPDFが立ち上がります。)

 

大原野の魅力を発信する

農事組合法人 花トピア大原野

 花や苗の生産農家が集まって1999年に発足。鉄骨生産温室13棟、事務所兼作業場1棟、展示鑑賞温室1棟、パイプハウス9棟の施設から成り立つ。鉢物や花壇苗を中心とした品目を中心に生産し、市場への出荷や直売を行っている。また里山の文化の継承・発展も目指し、京都花き振興協会と協力した農業体験教室や、イベントを開催。「秋の花咲く市」には、花の直売や手作り市が開かれ、多くの人でにぎわう。

 

↓ 花トピア大原野代表 畑 勲 さんのお話し ↓

「この辺りは歩くのにぴったりの場所。訪れてくれる人が増えるのはうれしいですが、中には田んぼに入ったり、柿を勝手に採る方も…。田畑は所有者のいる土地という意識を持って、マナーを守ってほしいですね。農業体験やイベントがその意識を持ってもらえる機会になればと思います。そして地元の人と訪れる人の距離が近くなり、また来てもらえるとうれしいです。」

●京都市西京区大原野灰方町1809
☎075-335-4939/※イベント等の詳細はホームページをご覧ください。 
http://www11.ocn.ne.jp/~hanatopi/

 

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手前は事務所兼作業場、後方は展示鑑賞温室

大木に見守られた地域の憩いの場

長峰八幡宮(ながみねはちまんぐう)

 八幡宮古墳の上に本殿が建立され、本殿の下は石室となっている。屋根には八幡宮の象徴である鳩の瓦がみられる。西山に特徴的な樹木であるカゴノキや、クスノキ、シイノキなど大木が多く、大きな樹冠を広げている。
 1986年、高度成長期に不足していた身近な幼児向けの遊び場を確保するために京都市独自の要綱により「ちびっこひろば」が境内に設置された。2000年、「京都市地域コミュニティひろば整備事業」の一環として整備が行なわれ、「かごの木ひろば」となった。

●京都市西京区大原野石作町/終日参拝可能

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御神木のクスノキが圧倒的な存在感を見せる

 

平安の面影を残す洛西の氏神様

大原野神社(おおはらのじんじゃ)

 長岡京遷都の際、藤原氏であった桓武天皇の皇后が、藤原氏の氏神・奈良の春日神社の分霊をこの地へ勧請したことにはじまる。現在は大原野一帯の産土神として崇敬されている。境内には、奈良の猿沢の池を模したといわれる鯉沢の池や、紀貫之をはじめ数々の和歌に詠まれ、今も清らかな水をたたえる瀬和井がある。参道付近にはモミジやサクラが多い。特に4月中ごろに3日ほどしか花を着けないシダレザクラの「千眼桜」は圧巻。

●京都市西京区大原野南 春日町1152
☎075-331-0014
9:00〜17:00

 

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鯉沢の池には、カキツバタやスイレンの花が美しく咲く

西行法師ゆかりの花の寺

勝持寺(しょうじじ)

 天武天皇の命により創建された古刹。以来、塔頭49院が建立されたが、応仁の乱の兵火で仁王門を除きすべて焼失。現在の建物は乱後に再建された。また平安末期の歌人・西行法師が出家し庵を結んだ地で、お手植えと伝わるサクラが鐘楼堂の傍らにある。以来、「西行桜」として親しまれ、寺は「花の寺」と呼ばれるようになった。西行桜をはじめ境内にはソメイヨシノやベニシダレなど数種類約100本のサクラが植えられている。また同じ数ほどのモミジがあり、紅葉も美しい。本尊の薬師如来坐像や仁王門の金剛力士像などは国の重要文化財に指定されている。

●京都市西京区大原野南春日町1194/
☎075-331-0601/9:00〜17:00(受付終了16:30)

 

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現在3代目といわれる西行桜

 

住宅街の中のオアシス

大蛇ヶ池公園(だいじゃがいけこうえん)

 大蛇ヶ池は、1919(大正8)年、農業用灌漑用水の貯水池としてつくられ、洛西ニュータウン造成時に、池の一部を埋め立てて広場として整備された。水鳥をはじめ、さまざまな野鳥が観察でき、スイレンやコウホネなどの水草や多様な樹木もみられる。

●京都市西京区大原野西竹の里町2/
北部みどり管理事務所☎075-882-7019

 

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冬になると池には水鳥が多く訪れる

 

★道案内★

のどかな田園風景から大木に包まれた社へ

 

 JR向日町駅から阪急バスに乗って灰方バス停で降りましょう(以降、地図参照)。この辺りはかつて豪族・石作(いしづくり)氏の勢力圏でした。一帯で豊富に産出した石灰石を用いた石棺づくりを得意としたそうで、近くには灰方、灰谷などの地名が残っています。annnai1.jpg
 田園風景の中を西山に向かって歩いていくと、花や苗の生産農家が集まり花卉の栽培を行なっている花トピア大原野が見えてきます。大原野では、山に西日が遮られ午後から気温が上がりません。これが花卉栽培に適しているそうです。
 すぐ近くには長峰八幡宮があり、クスノキをはじめとした大木が大きな木陰をつくっています。古墳の上に立つという本殿。下は空洞で横穴が空いており、昔は、近所の子どもたちが入って遊んでいたそうです。境内の一角にある「かごの木ひろば」は、伐採した木でつくられた腰掛や遊具があり、よい休憩場になっています。
 木々のエネルギーを体いっぱい受けてから、坂を上っていきましょう。

 

徳天皇を祭る社から洛西ニュータウンへannnai2.jpg

 

 竹林に囲まれた林道を抜けると樫本(かしもと)神社が見えてきます。祭神は仁徳天皇で、地元では「仁徳さん」と親しまれています。 なだらかな坂を上がると大原野神社に着きます。広大な境内は、春はサクラ、夏はツツジと四季折々に美しく彩られます。毎年春と秋に境内で開催されるにしやま音楽祭(後述記事参照)には多くの人でにぎわいます。
 社殿の前から続く林道を歩いていくと勝持寺の参道に突き当ります。参道の階段を少し戻り仁王門を見に行きましょう。
 南門から勝持寺の境内へ。西行桜をはじめ多くのサクラが迎えてくれます。その大半を占めるソメイヨシノは、60年を過ぎ、徐々に弱ってきているそうです。今後は、ヤマザクラを増やして自然の風景に近づけようとされています。
 勝持寺から坂を下っていくと眼下に洛西の町並みが見えてきます。洛西ニュータウンに入り、大蛇ヶ池公園へ。池の周りの散策路は気持ちのよい道です。ナンキンハゼの並木道を歩き、洛西バスターミナルから帰路につきましょう。

 

※この記事は2011年3月発行の「京のみどり58号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

★市民活動の紹介~もっと知りたいみどりのこと~★

大枝アートプロジェクト(OAP)

~ふるさとの風景を見直して残していきたい~

 大枝(おおえ)は、大原野のすぐ北に位置する富有(ふゆう)柿の栽培が盛んな地域で、里山の風景が残る自然豊かな場所です。この大枝から大原野にかけて現在、京都第二外環状道路(※)の建設に伴う大規模な工事が行なわれています。
 京都市立芸術大学美術学部井上明彦准教授が、大学の近くを計画路線が通ると知ったのは2004年でした。失われていく大枝の風景に対して、美術や音楽に関わる人間に何ができるかを考えようと、授業で大枝の「ひと・もの・こと」にアプローチ。さまざまな記録や表現によって作品にしようと試みたのです。これが大枝アートプロジェクト(略称OAP)のはじまりでした。
 まもなく学生たちの活動は授業の枠を越えて独立した動きへ。同大学講師の椎原保さんや地元の人々の協力も得て、2005年には学生たちで改装した土蔵で作品を展示する「大枝00」展を開催しました。
 その後も大原野神社で、芸大音楽部の学生や地域の音楽グループが演奏を行なう「にしやま音楽祭」や、地元の人から大枝について学ぶ「おおえ博士になろう!」、立ち止まりたい風景を見つける「みどりの停留所」、ガリ版新聞発行など、地元とのつながりを大切にしながらユニークなプロジェクトを続けてきました。
 昨年には、大原野の昔の風景や行事を残そうという取り組みを続けてきた野田会と協力して、「田の虫送り」と「誘蛾灯(ゆうがとう)」を再現しました。「道路建設をきっかけに地域を見直し、人と自然をつなぎおこすことを考えていきたいです」と井上さん。
 変わりゆく景色のなかで、人々のつながりが強まり、ふるさとの風景を伝えていく着実な原動力になっています。
※通称「にそと」。国道9号線の沓掛インターから名神高速道路の大山崎インターまでがつながる計画。

↓画像をクリックすると大きく表示されます。

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※この記事は2011年3月発行の「京のみどり58号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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