「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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歴史を語る京の木

大杉坊大権現の天狗杉 牛尾山法厳寺(ほうごんじ)のスギ

ushiozan.jpg 山里を抜けて、山科音羽川に沿うように歩いていくと、桜の馬場に出る。そこから長い石段を上っていくと、音羽山の中腹にある牛尾山法厳寺(うしおざんほうごんじ)に着く。

 

 法厳寺は、かつて音羽山の山頂に祀(まつ)られた音羽山権現社をはじまりとし、778(宝亀9)年、清水寺の開祖ともなる奈良の延鎮(えんちん)上人によって創建された。以来、山岳修行の道場として栄え、弘法大師(空海)も修行したと伝わる。延鎮上人は、淀川から金色の水をたどってこの地にたどりついたという伝承があり、現在も本堂の傍らで「金生水(きんしょうすい)」が湧き出ている。

 

 本堂や庫裏(くり)、鐘楼(しょうろう)が建ち並ぶ広い境内の一角に、大杉堂がある。その名の通り、背後には、大きなスギがそびえている。天狗杉と呼ばれるこのスギは、開山時に植えられたといわれ、大杉坊大権現として信仰されている。大杉坊とは天狗の名前。山の神である天狗は、山中を自在に飛び回り登山者や参詣者を守護するという。麓(ふもと)には「天狗の爪研ぎ岩」があり、寺で天狗の叩く太鼓の音を聞いたなど、天狗にまつわる言い伝えが数多く残っている。

 

 階段を下りると、斜面に立つ木のすぐ近くまでいくことができる。幹の直径は大人が両手を広げたくらい。中は空洞という。何本もの太い枝がのびやかに広がり、圧倒的な存在感がある。奈良時代の信仰を守る古寺で、大木は今日も天狗伝説を語り続ける。

 

●牛尾山法厳寺

☎075-581-1586

京都市山科区音羽南谷1
終日参拝可能
京阪バス「小山」バス停下車、
徒歩約1時間

*この記事は2010年3月発行の「京のみどり58号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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