「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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歴史を語る京の木

源氏物語ゆかりの 岩戸落葉神社のイチョウ

岩戸神社イチョウ.jpg 京都市北区の山間部、清滝川と岩谷川が合流する地に、鳥居、拝殿は一つで、本殿が岩戸社、落葉社の二社からなる珍しい神社がある。
 

 岩戸社は、小野上村の氏神で、近世に現在の地に移ったといわれる。落葉社は、小野下村の氏神で、927(延長5)年にまとめられた延喜式神名帳に記載されている堕川神社と伝わり、第61代朱雀天皇の第二皇女「落葉の宮」を祭神とする。朱雀天皇の死後、神社の近くに母とともに隠棲(いんせい)した落葉の宮は、『源氏物語』に登場する。物語では、夫・柏木が妹の女三宮と不義の末に死去し、傷心でこの地に隠棲したと描かれている。

 境内には、4本のイチョウの大木がそびえ立つ。樹齢は定かではないが、漂う風格が長い年月を感じさせる。イチョウは、裸子植物でイチョウ科の落葉高木。長寿で、多くの社寺に古木が見られ、病害虫にも強く、植栽や街路樹としても親しまれている。葉は、気温が低くなってくると、緑色の色素が紫外線で分解され、黄色の色素だけが残るので黄色く見える。

 4本は同時には黄葉しない。まず境内の内側の2本が色づく。落葉で地面が黄色の絨毯(じゅうたん)のようになるころ、外側の2本が色づき、上と下から境内を黄金色に染め上げ、一幅の絵のような美しい空間を作り出す。11月中ごろ、年に一晩だけ、地域の人々に持ち寄られたライトによって、暗闇に照らし出される。人々の目を存分に楽しませたあと、残る2本も葉を落とし、冬の装いへと変わっていく。

●岩戸落葉神社

京都市北区小野下ノ町170
☎075-406-2004
北区役所(小野郷出張所)
終日参拝可能
JRバス「小野郷」
下車すぐ

*この記事は2011年12月発行の「京のみどり61号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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