「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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らくらく園芸講座

和の花を使ってガーデニングを楽しむ(春~初夏)

■春から初夏に楽しめる和の花

 春から初夏は、多くの植物が競って花を咲かせてくれる楽しい季節です。この時期のガーデニングに使える花を紹介します。
 樹木の花も多く代表的なものとして、ツツジ科のコバノミツバツツジ、サツキ、ヒカゲツツジ、ホンシャクナゲ、ヤマツツジ、レンゲツツジ等は花色も鮮やかで目を楽しませてくれます。スイカズラ科のオトコヨウゾメ、コバノガマズミ、ムシカリ、ヤブデマリ等やユキノシタ科のコアジサイ、ヒメウツギ、ヤマアジサイ等は、白色や青紫・赤紫等の色の花を咲かせます。また、平安時代には中国より渡来していたといわれる豪華な花を咲かせるボタンもあります。
 草花にはラン科のアツモリソウ(流通しているのは中国アツモリソウ)、ウチョウラン、エビネ、キエビネ、クマガイソウ、シラン、トキソウ等の花がつぼみをふくらませ、咲き始めます。アヤメ科ではアヤメ、カキツバタ、シャガ、ヒメシャガ等があります。キンポウゲ科のイチリンソウ、ニリンソウ、ヤマシャクヤクやサクラソウ科のニホンサクラソウ、クリンソウの他、シソ科のジュウニヒトエ、タツナミソウ、ラショウモンカズラ等の可憐な花も楽しめます。

春から初夏の花.jpg

■石を使ったロックガーデン風の庭で和の花を楽 しむ

花木と草花の組み合わせ.jpg

・花木と草花の組み合わせ

 ロックガーデン風の庭に植物が自然に生えているように植栽して、花木と草花を楽しんでみてはいかがでしょう。
 ロックガーデン風の庭に欠かせないのが庭石ですが、専門家に依頼せずにつくる場合は、一般の石材より比重が軽い軽石を用いると作業が楽にできます。
 植栽に当たっては、植える植物がどの様な自然環境で育っているかを把握して植える事がポイントになります。山野草と呼ばれる植物は、林床で育つ種も多く、林床空間をつくるために、大きな落葉樹を植栽して、その下に草花を植えることも必要になります。また、水辺や湿地に生育する植物の場合は、池や湿地をつくって、そこへ植栽できれば良いのですが、そこまでできない場合は、雰囲気だけでも演出することをお勧めします。
 クリンソウやシャガ、ヤブデマリ、ヤマアジサイ等の湿った所を好む植物は築山の裾に植えましょう。それ以外のコバノミツバツツジ、ホンシャクナゲ、ヤマツツジ、エビネ、キエビネ、ニホンサクラソウ、イカリソウ等は築山の中腹から上部に植えます。これ以外にセキショウやヤブラン等の下草も石に添えるように植栽すると良いでしょう。

■コンテナで和の花を楽しむ

・古瓦を用いたコンテナ

 コンテナ鉢(プランター等の容器)は、植える花と調和したものを選びたいものです。今回は古瓦をプランターの容器として再利用した例を紹介します。
 巴瓦(ともえがわら)にはシランやフタバアオイ、ヒメシャガ等を植え表面は苔等を張ると良いでしょう。また、桟瓦(さんがわら)は苔玉に植えたナルコユリやタチツボスミレを置いてもオシャレな器となります。

小瓦に植えた例.jpg

・軽石を使ったコンテナ

軽石(庭石)に植物の植えられる穴を掘って手作り植木鉢がつくれます。軽石に植穴を掘る場合は、金槌とノミを使います。軽石は、柔らかい素材ですからゆっくりと時間を掛ければ誰でもできます。植穴の底には電気ドリル等で水抜き穴を忘れずに空けましょう。この様な器には、ニホンサクラソウ等を植えて楽しみたいものです。軽石を使った例.jpg

執筆・イラスト:駒井 修(こまい おさむ)/京都生まれ。一級造園施工管理技士。東京、京都の大手造園設計コンサルタント等を経て、2011年4月より緑化協会花と緑の普及員。公園、庭園、大規模な緑化イベント会場の設計など実績多数。特に近年は、花壇の設計・施工監理など、花に携わる業務に数多く携わっている。

*この記事は2012年3月発行の「京のみどり62号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所でお配りしています。

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