花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. ウォーターポピーの花が好きで、庭の小さな池で栽培していますが、毎年冬を越すことができずに枯らしてしまいます。冬越しの良い方法を教えてください。
- ウォーターポピーはブラジルやベネズエラ原産の多年性の水生植物で、日本には昭和初期に観賞用として導入されました。学名は「ヒドロクレイス・ニンフォイデス」といい、和名は英名を直訳し、「ミズヒナゲシ」といいます。花の形と大きさがヒナゲシに似ているためにこのように命名されているのですが、分類上、両者は遠くかけ離れています。ヒナゲシが双子葉植物のケシ科なのに対して、ウォーターポピーは単子葉植物で、ハナイ科、もしくはキバナオモダカ科に分類されています。
ウォーターポピーは、花径5cmほどの美しい鮮黄色の3弁花を咲かせますが、花の寿命は1日だけのデイフラワーです。根茎は泥の中にひげ根を下ろし、次々と先へ伸びてつる状になり水面を這います。また、根茎から長さ4〜8cmのハート型の葉を出して水に浮きます。花期は関西地方の場合、6〜10月で、水の温かさと日当りを好みますが土は特に選びません。原産地が熱帯のため、冬の寒さは苦手なものの、関西地方の市街地では次のような簡単な方法により屋外での越冬が可能です。
まず8月までに8〜10号鉢を使って株を植え込み、鉢ごと容器に入れ水深を10cmくらいに保って花を楽しみます。11月中旬になったら、外側の容器から植えている鉢の上端までの水深を30cm以上にして株を沈めます。これを軒下などに4月まで置けば良いのです。結氷する日でも近年は厚い氷は張りませんので、これで十分です。梅小路公園では6年間続けてこの方法で越冬しています。ぜひお試しください。
- <写真>
ウォーターポピーの花(花径約5cm)
ウォーターポピーの容器栽培 10号鉢に植えて、沈める(水深約10cm)