花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. ナス、キュウリ、トマトの苗を買ってきて植えていますが、どれもよく育っています。しかし、いくら待っても花や実をつけません。どうしてでしょうか。
今年から庭で野菜作りを始めました。ナス、キュウリ、トマトの苗を買ってきて植えていますが、どれもよく育って、葉は大きくなり、色もクログロとしています。しかし、いくら待っても花や実をつけません。どうしてでしょうか。
- これは明らかにチッ素過多です。おそらく元肥(もとごえ)にチッ素が多量に含まれていたせいだと考えられます。
以前から、経験上、チッ素(N)は葉ごえ、リン酸(P)は実ごえ、カリ(K)は根ごえといわれてきました。チッ素は葉緑素を作り、植物体を生長させます。リン酸は花や実を着けさせる働きがあり、カリは根張りをよくし、茎や葉を堅固にさせます。
そのため、生長が最も優先される苗の期間は、チッ素が多めの肥料でよいのですが、実を食べる野菜(果菜)は、ある程度のところで、チッ素を少なくし、リン酸やカリの多い肥料を与えなければ、実は、成らないか少なくなります。また、チッ素が多いと、茎や葉が伸びすぎ、組織が柔らかくなって、病害虫に侵されたり、根元がグラグラして倒れやすくなります。
一方、葉を食べる野菜(葉菜)の場合は、チッ素をやや多めに施すと、葉の緑も鮮やかで口当たりも柔らかくなります。
一口に野菜といっても、どの部分を食用にするかで、肥料成分の与え方が異なってきます。最近の家庭菜園では、台所クズで作った堆肥や油カスなどの有機肥料が多く使われていますが、これらはチッ素成分が多いため、大量に施すといつまでも土の中に残留しますので、注意してください。
- <写真> 適切な開花・結実を始めた野菜
ナス(高さ約60cm)
ミニトマト(高さ約100cm)
キュウリ(高さ約80cm)