花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. <ミッキーマウスノキ> 緑化協会の玄関に面白い形をした実を付けている鉢植えの植物がありますが、名前と栽培方法を教えてください。
- この植物は英名で「ミッキーマウスプランツ」といい、通称は「ミッキーマウスノキ」と呼ばれています。南アフリカ東部原産のオクナ科の低木で、学名は「オクナ・セルラタ」といいますが、実の形を見ると、どことなくミッキーマウスの顔に似ているので、このような名前がつけられたのです。
栽培はいたって簡単で、日当たりと水はけを好み、また、冬の寒さにも強く、当公園では導入以来6年目になるものの、ずっと鉢植えで屋外栽培を続けています。特に寒さの厳しかった2009年度の冬(最低気温-6℃)でも問題はありませんでした。もともと常緑樹で、温室栽培では葉は落ちませんが、屋外では冬に落葉するものの、4月末から5月になると、新葉と花芽が同時に出て、黄色い花が一面に咲き、見応えがあります。このように、本来常緑樹なのに、寒さに当たると葉を落とし、春が来ると葉が出るとともに一斉に花をつけ満開になる花木に、ナス科で、ブラジルとアルゼンチン原産の「ニオイバンマツリ(ブルンフェルシア・アウストラリス)」があります。これは日本への渡来が、明治時代の末のため、暖地ではよく庭植えされているのを見ますが、「ミッキーマウスノキ」も、もっと普及すれば庭植えが主流になるでしょう。
なお、日本におけるオクナ属の他の植物は、他に東アフリカ原産の「オクナ・カーキー」の栽培を見ます。主に温室栽培で、前種に比べ、少し寒さに弱いようです。なお、繁殖方法は2種ともさし木か、実生が行われています。実生は果肉を除いた後、取り播きしますが、シイナ(果実の中で種子がないか、稔っていないないもの)が多いので、よく確かめて播いてください。- <写真>
ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラタ)の開花(5月上旬)
ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラタ)の果実(6月中旬)
オクナ・カーキーの開花
オクナ・カーキーの果実
ニオイバンマツリの開花(5月)