花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. <イオノプシディウム>梅小路公園内のコンテナなどに植えこまれている草花の1種が冬中ずっと咲いています。栽培してみたいので名前と栽培方法について教えてください。
- その草花は秋まきの1年草で、学名を「イオノプシディウム・アカウレ」といいます。和名はまだついてなく、学名の属名である「イオノプシディウム」か、英名の「バイオレットクレス」で流通しています。原産はポルトガルで、アブラナ科の植物です。
9月中旬に種まきをすると、11月下旬には、はやくも花を着け始めます。花期は11月~4月中旬で、開花を続けながら生育し、咲いた花は、次々と種子を結びます。小型なので、幼苗を定植するときは数株の苗を寄せて植えると、年を越した春には、草丈が5cmくらい、葉張りは10cmくらいになります。また、一度植えると、花が終わったあと抜き取って、春まきの1年草を植えておいても、秋になると、こぼれ種からたくさん芽ばえるので、施肥をすれば、一面の花畑が労せずして出来あがることがあります。もちろん別の場所に移植するのも簡単です。また、草丈が低いので、他の利用方法として、大型の鉢植えの木の下や、秋植え球根を植え付けた上に、カバープランツとして使うダブルデッカー(球根を2層に植えたり、草花を球根の上に植えつける方法のこと)にも適しています。もちろん、一般的なグラウンドカバープランツとしての利用も、極端な日陰でなければ、十分可能です。園芸店などには種子はまだ置いていないようですが、苗の方は10年くらい前から販売されているのを見かけます。
- <写真>
スイセンとイオノプシディウムのダブルデッカー(3月撮影)
イオノプシディウムの開花株(1月撮影)
スタンダード仕立てのムクゲの鉢植えのカバープランツとして利用(1月撮影)
こぼれ種から発芽し開花した状態(3月上旬撮影)