
朱雀の庭に嵯峨菊を展示しています。
2010年11月19日更新

嵯峨菊…右京区嵯峨でつくり伝えられている菊で、花は頭花の径9cm以上の中菊です。大沢池の菊ケ島に自生していた嵯峨野独特の野菊を、嵯峨天皇が、永年にわたって洗練し、「天、地、人」の配置に仕立て上げた菊です。嵯峨天皇はこれを手折って挿花とし、つねに賞翫(しょうがん)されたと伝えられる、格調高い菊です。
嵯峨菊は古くから、多くの歌人により、歌に詠まれていますが、明治維新後、一時絶滅の危機にあったこともあるようです。現在、嵯峨天皇ゆかりの大覚寺では毎年11月に境内で嵯峨菊展が催されます。
緑化協会では、昨年度より「守ろう!古都の自然」として、様々なイベントを通じて、絶滅に瀕している古都の植物・古都の豊かな歴史と文化を育んできた美しい自然を守り、育てていくことを呼びかける活動を行っています。
この活動にご賛同いただいて、梅小路公園内の「朱雀の庭」に、この嵯峨菊を、大覚寺より特別にご提供いただき、展示しています。
小倉錦(朱)・嵯峨の雪(白)・藤娘(桃)・右近橘(黄)の4色を展示しています。この機会に是非ご覧ください。
参考文献:竹村俊則「京の名花・名木」より