花とみどりの相談所:草花や樹木の育て方などの疑問にお答えします。

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花とみどりの相談所だよりQ&A

Q. ウメの花が終わり、新しい芽が伸びだしましたが、いつの間にか葉が次々とねじれるようになりました。どうしてでしょうか?
 これはアブラムシの一種である「スモモオマルアブラムシ」による被害です。このムシは、1.5mmくらいの大きさで、淡緑色をしています。卵で越冬した後、4月には孵化(ふか)し、新しい葉の裏に群がって、樹液を吸います。そのため、被害を受けた葉は不規則に変形して裏面に巻き込みます。本来、次々と伸びて広がる葉は、このムシの被害のため、縮んでしまい、枝の伸長も悪くなってきます。
しかし、7月中旬になると全くムシはいなくなり、その後に出る葉は正常になります。結果的に枝の基部に近い葉は縮み、先の方は正常葉がついた状態となります。ムシがいなくなる理由は、中間宿主(2種以上の宿主を必要とする生物が最終の宿主以前に寄生する生物)のキク科の植物に移住するからです。このムシの別名は「ムギワラギクオマルアブラムシ」ですが、これはムシの学名に基づいて付けられていて、キク科の害虫でもあるからなのです。なお、「ムギワラギク」とは、オーストラリア原産のキク科の1年草で、「ヘリクリサム」とか、「テイオウカイザイク」の名で流通している草花です。
 中間宿主に移って夏を越したこのムシは、10月には、大部分が、またウメなどに帰ってきて、卵を産み、越冬します。防除剤には「マラソン乳剤」や「スミチオン乳剤」などが登録されているので、発見次第散布してください。葉が巻いてからでは、効果がかなり落ちます。
 見苦しい葉のついた枝の部分は、果実の収穫後の6月の剪定時に切り取ればよいでしょう。ただし、あまり切りすぎると翌年の花や実が少なくなります。

<写真>
  • 写真:スモモオマルアブラムシにより変形したウメの新葉(5月中旬)
    スモモオマルアブラムシにより変形したウメの新葉(5月中旬)
  • 写真:変型のようすを拡大したもの
    変型のようすを拡大したもの
  • 写真:巻き込んだ葉をナイフで切り裂いた状態(中にムシがいる)(5月中旬)
    巻き込んだ葉をナイフで切り裂いた状態(中にムシがいる)(5月中旬)
  • 写真:剪定後のウメの木(6月上旬)
    剪定後のウメの木(6月上旬)

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