花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. 園芸書を見ると「ノウゼンカズラ」の種類が多くあるようですが、庭植えで栽培できるものを教えてください。
-  ノウゼンカズラ科の植物は、世界の熱帯及び亜熱帯を中心に約20属800種が分布していますが、日本には自生はないとされています。「ノウゼンカズラ」はノウゼンカズラ属(カンプシス、以下「C.」と略)のつる性の木本で、学名をC.グランディフロラといい、中国の中・南部原産で、日本には平安時代に渡来しました。しかし、花が橙色のものだけしかないようです。同属には、他に「アメリカノウゼンカズラ(C.ラディカンス)」があり、北アメリカ東南部が原産です。「ノウゼンカズラ」よりも花は小型で花筒部が長く、濃赤色をしていて、黄花の'フラウア'や'斑入り葉'の品種もあります。また、ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配種(C.×タグリアブアナ)には、'マダム・ガレン'などの園芸品種があり、日本でも数品種が育種されています。
 また、ノウゼンカズラ属以外のノウゼンカズラ科のつる性の木本で、初めは温室植物として導入されたものの、耐寒力が強く、暖地の屋外で栽培できるものに、南アフリカ原産の「ピンクノウゼンカズラ(ポドラネア・リカソニアナ)」や「ヒメノウゼンカズラ(テコマリア・カペンシス)」、オーストラリア原産の「ソケイノウゼン(パンドレア・ヤスミノイデス)」などがあります。
 なお、ノウゼンカズラ属の2種とヒメノウゼンカズラをさし木繁殖する場合、熟枝よりも、地表をはう緑の匍匐(ほふく)枝の方が発根しやすいことを追記しておきます。
 - <写真>
 
 ノウゼンカズラ(8月、大阪市内)
 
 アメリカノウゼンカズラ(大阪市内)
  
 アメリカノウゼンカズラ'フラウア'(8月、大阪市内)
 
 ヒメノウゼンカズラ(10月、大阪府下)
  
 ピンクノウゼンカズラ(9月、大阪市内)
  
 ソケイノウゼン(9月、大阪府下)
 
 ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配品種'マダム・ガレン'(8月、京都府下)
 
 

























 
      



