花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. レモンの種をまいて8年育てましたが、まだ花がつきません。どうしてでしょうか?
- 種をまいて出てくる実生(みしょう)は普通は雑種ですので、どんな実がなるのかわかりません。ですが、カンキツは「無性胚実生」といって、親と同じ形質をもった子どもが生まれます。
ところが実生というのはゼロ歳の赤ちゃんです。接ざ木の場合は完全に成人になった穂を接ぐのですぐに花が咲きますが、赤ちゃんは大人になるまで待たなければなりません。
8年といえば、「中学入学おめでとう!」というくらいの年齢でしよう。根を切ったり、環状剥皮(かんじょうはくひ)といって幹のまわりを一周する傷をつけて無理やり老化させる方法もありますが、こんな乱暴なことをして枯らしては元も子もありません。せめて高校を卒業するころまで待ってやって下さい。
なおレモンはカンキツの中でも一番寒さに弱くて、栽培されているのは瀬戸内の無霜地帯のようなところに限られています。レモンは樹勢が弱いので、産地では樹勢が強い甘夏などに高接ぎをしますが、そんな必要はないでしよう。このような点もお含みおき下さい。