花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. バラ作りの先輩から「夏の花は咲かせない方がよい」と忠告を受けました。もったいなくて摘みそびれていますが、どうして咲かせてはいけないのでしょうか。
庭でバラを育て始めてから3年になります。次々と花が咲いて楽しんでいたところ、バラ作りの先輩から「夏の花は咲かせない方がよい」と忠告を受けました。もったいなくて摘みそびれていますが、どうして咲かせてはいけないのでしょうか。
- 一般に四季咲きバラと呼ばれている品種群は、モダンローズの代表的なもので、ハイブリッド・ティという系統です。晩春から咲き始め、花盛りを迎えた後も、枝が伸びるたびにつぼみをつけ、秋にまた花盛りになります。四季咲きとはいうものの、冬は葉を落とし生長はしませんので、温室で加温しない限り花は咲きません。
御質問の「夏の花は咲かせないように」とのアドバイスは正しいと思います。日本では、梅雨に入ると雨が降り続き、また、梅雨明けには高温となって、夏の冷涼と乾燥を好むバラにとっては過酷な環境となり、衰弱して、病害虫に対する抵抗力が落ちてきます。その上に、花を咲かせるための養分を使うと、ますます衰弱が進みます。秋にもう一度花盛りを期待しても、十分に花を咲かせることができなくなってしまいます。また、夏に咲く花は小さく、色もあせて、本来の花の姿と比べ、見すぼらしいものです。
このような理由で、夏に出るバラのつぼみは摘み取る方が無難です。また、夏季剪定といって、込みあった枝や伸び過ぎた枝、病気に侵された枝などを剪定しておくと、秋には期待どおりの花盛りを迎えることができるはずです。
- <写真> 夏の四季咲きバラ
クライミングローズ(品種名カクテール)
シュラブローズ(品種名不詳)