花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. アジサイを一枝もらってさし木をしたところ3年目にやっと花が咲きましたが、色は赤ではなく、青っぽいくすくんだピンクです。どうしてでしょうか。
友人が栽培している赤い花のアジサイを一枝もらってさし木をしたところ3年目にやっと花が咲きました。しかし、色は赤ではなく、青っぽいくすくんだピンクです。どうしてでしょうか。
- アジサイは土の酸度によって花の色が変わります。通常、酸性の土なら青く、アルカリ性の土なら赤くなります。ただし、各品種により感受性に差があり、反応の鈍いものもあります。また、アジサイの品種は紫、青、ピンク、赤、白など、花の色が決っています。そのため、青系の品種は酸性の土、赤系の品種にはアルカリ性の土で植えると色が鮮やかに出ます。これと逆の土を使うと、ボケたような中間色になります。なお純白の花のものは、どちらでも色は変わりません。
本来アジサイは、弱酸性の土を好みますし、基本種は青色です。また、日本では、庭や鉢植えなどを問わず、土をそのままにしておくと酸性に傾いてゆきます。そのため、青系の品種はあまり問題は起きませんが、赤系の花は色が青っぽくなってきます。
そんな株は、翌年に花芽が出始めた頃に、消石灰を水に溶き、土に灌注(かんちゅう。そそぎかけること)します。その後は一週間おきくらいに、2度ほど行えば十分です。逆に青の品種の色が淡くなったようなときは、ミョウバンの水溶液を灌注します。未調整のピートモスでマルチング(土を覆うこと)しても効果があります。まれに感受性の強い同一品種を青と赤に別々に発色させていることもありますが、現状の色を保たせるなら対処方法は同じです。
- <写真> アジサイの色
土が酸性になったため、青に変色したハイドランジア(西洋アジサイ)の赤花品種
ベニガクアジサイは酸性土でも青くならない