花とみどりの相談所だよりQ&A
- Q. <チャイニーズハット>梅小路公園の事務所の入口に真冬だというのに朱橙色の変わった花を着けた鉢植え植物が展示されていますが、何という植物で、またどこからきたものでしょうか?
- この植物は、クマツヅラ科で、学名を「ホルムシヨルディア(以下、H.)・サングィネア」といいますが、「カロミア・サングィネア」と分類されていることもあります。ただし、通称は「チャイニーズハット」と英名で呼ばれて流通しています。花一輪の形が、中国で近代まで使われていた古い帽子に似ていることからでしょう。和名は、やはり花の形から「テングバナ(天狗花)」とつけられていますが、あまり使われていません。しかし、花の後方部分の帽子状で皿型のものは、じつは花びらではなく萼(がく)で、花びらは五裂した円筒形の部分のみです。
原産はインドやヒマラヤの亜熱帯地方で、枝は3~5m位の長さになり、やや蔓(つる)状に伸びる性質があります。花期は11月~2月で、寒い季節を楽しませてくれます。日本では20年前の大阪花博以来、鉢花として普及し始めました。寒さにはかなり強く、暖地では十分屋外で越冬しますが、京都の市街地では冬に直接霜や寒風に当たる場所に置くと、花や葉が傷み、観賞価値がなくなりますので、梅小路公園では緑化協会事務所入口前の廂(ひさし)の下に置いています。
花色は朱橙色のものが一般的ですが、黄色の品種もあります。しかし、少し性質が弱いようです。また青色の花弁で、マダガスカル原産の「H.テッテンシス」も流通していますが、寒さに弱く屋外では越冬できません。繁殖は、5月~6月にさし木をすれば、どれも簡単に発根します。
- <写真>
玄関入口前のチャイニーズハットの鉢植え(1月)
チャイニーズハットの萼と花弁(つぼみ)
チャイニーズハットの萼と花弁(開花)