「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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みどりのウォーキングマップ

地名が歴史を物語る 西ノ京周辺のみどりを歩く

山王神社~島津製作所~市五郎大明神~二条公園

794年、桓武天皇の遷都で拓かれた平安京は、朱雀大路(現在の千本通付近)により東の左京と西の右京に分けられました。右京は、中世には麹(こうじ)業が行われ、町が栄えたことから西ノ京と呼ばれるようになったといわれています。また豊臣秀吉が築造し、洛中洛外の境目となった御土居(おどい)堀の西端が南北に走っていました。

今ではすっかり市街地となった西ノ京一帯は緑が少ないエリアですが、平安京や御土居は、史跡や地名にその名残をとどめ、史跡を包み込む樹林や、公園、街路樹は、町中の貴重な緑地となっています。ひっそりと残る歴史の面影をたどりながら、地域を彩る紅葉を訪ねてみませんか。

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大樹に守られた山ノ内の氏神

山王神社(さんのうじんじゃ)

比叡山麓の日吉大社より勧請(かんじょう)を受けた古い社。祭神は大山咋神(おおやまいぐのかみ)、玉依姫神(たまよりひめのかみ)の夫婦神と大国主命の別の名である大己貴神(おおなむちのかみ)。樹齢700年といわれるクスノキに覆われた境内には、古来、夫婦和合、安産、子授けの岩として信仰されてきた夫婦岩や、親鸞史跡の足跡石、座石がある。また境内右手の社務所内茶庭(通常非公開)には、2001年に水琴窟が復元され、大地主神(おおことぬしのかみ)が祀(まつ)られている。毎年10月第3土・日曜日に例祭が行なわれる。

●京都市右京区山ノ内宮脇町5
☎075-821-0934/境内自由、
茶庭は事前予約で見学可能
(10:00〜16:00)。
※例祭の前後は不可。

 

山王神社.jpg

本殿は1816(文化13)年に建造されたが台風で大木が倒れ1991年に再建された

御土居跡に祀(まつ)られたお稲荷さん

市五郎大明神(いちごろうだいみょうじん)

創建は1877(明治10)年。岡崎に住んでいた北村利幾子(りきこ)によって御土居跡に祠(ほこら)が創建され「市五郎大神」が祀られたという。立ち並ぶ鳥居の先、社殿の前に「史跡御土居」の石碑と、由緒が記され1917(大正6)年に建てられた石碑がある。その奥が小高くなっており、これが御土居の遺構。社内のほかの御土居跡とともに1930年に、国の史跡に指定された。御土居稲荷とも呼ばれている。毎年11月8日に火焚祭が催される。

●京都市中京区西ノ京原町/境内自由

 

市五郎大明神.jpg

御土居に面して社殿が立つ

二条公園(街区公園、9,100㎡)

逸話を伝える緑豊かな場所

1934年に開催された「大礼記念京都大博覧会」会場内の児童遊園地を利用整備して開園。老朽化に伴い、大規模な改修工事が行なわれ、かつて公園の北側にあった「鵺(ぬえ)池」がよみがえった。池・流れが整備され、ベンチや花壇などいたるところにユニバーサルデザインが施されている。春、秋は家族連れがお弁当を広げる光景も。公園愛護協力会は、会長の山本眞弘さんを含め10数名。「高齢化などで会の人数は減り続けています。水量が少なく藻が生えやすい池の清掃だけでも大変。毎月第2、4土曜日午前中に清掃活動をしていますので、一人でも多くの方に参加していただけるとうれしいです。」と山本さん。

●京都市上京区郁芳通美福東入主税町

 

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平家物語に逸話が残る鵺(ぬえ)池(東から)

神明(しんめい)公園(街区公園、490㎡)

守られ続ける地域の憩いの場

開園した1967年以前から、広場があり地域の人々に親しまれてきた。佐藤喜一会長(写真下段左)をはじめとした公園愛護協力会により、小さいながらも美しく維持され、子どもが安心して遊べる場となっている。活動は月2回の除草に加え、ゴミ拾いや水まき、花の苗植えなどが自主的に行なわれている。芝生は許可を得て自分たちで種をまいて育てたもの。「公園がきれいだとみなさんが喜んでくれるので、これからもがんばります。」と熱意を語る佐藤さん。次の目標は花壇をつくることだそう。

●京都市中京区中新道六角 壬生神明町
☎ 075-643-5405(南部みどり管理事務所)

神明公園.jpg

神明公園愛護協力会のメンバーの方々(2011年8月25日撮影)

 

★道案内★

大木茂る古社から御土居の史跡へ

地下鉄東西線西大路御池駅で降り、御池通を西に向かいましょう(以降、地図参照)。街路樹のイチョウ並木と、島津製作所のカツラやモクレン、サルスベリの植栽が、色づき始めています。路地を入っていくと、樹齢700年の山王神社のクスノキの大木が迎えてくれます。
 三条通に出て、島津製作所の本社前を通ります。環境保全活動に熱心で、特に子どもを対象としたさまざまな取り組みが行われています(後述記事参照)。
 西高瀬川沿いを歩きましょう。かつて丹波地方の木材や穀物を洛中へ運ぶために開削され、水運として活躍しましたが、1935年の京都大水害をきっかけに天神川へ水を流すように改修されてからは、通常水はなく雨水が流れます。
 西大路通から一本東を通る西土居通へ。その名の通り洛中、洛外を分けた御土居の西の端がありました。市街化が進むにつれ次々と壊されていく中、その姿が残されたのが市五郎大明神です。御土居跡に稲荷社が祀られた社は、背の高い木々に覆われひっそりと佇んでいます。

 

市街地に潤いを与える緑をつなぐ

御前通の先にある朱雀公園をはじめ、この付近には貴重な緑として大小の公園があり、それぞれ公園愛護協力会によって、支えられています。七本松通沿いにある神明公園もその一つ。清掃など地道な活動により、子どもが安心して遊べる美しい公園に保たれています。
 二条城の北側に広がる二条公園は、2003年から2005年にかけて、ワークショップやアンケート調査を踏まえて、整備されました。平安京の逸話を伝える鵺池(ぬえいけ)から生まれたせせらぎが流れ、大木が立ち並ぶ、自然豊かで美しい公園です。幅広い年齢層に親しまれ、地域の人々の憩いの場となる一方で、美化活動に携わる人手の確保が課題になっています。
 身近に自然と触れ合え、季節の移ろいを感じさせてくれる公園。維持をしていくためには一人ひとりが関心を持ち、一つでもゴミを拾い始めることが必要です。
 ハナミズキ並木が美しい美福通を歩けば、地域に息づく歴史と小さな緑をたどるコースのゴール、二条駅が見えてきます。

 ※この記事は2011年10月発行の「京のみどり60号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

★市民活動の紹介~もっと知りたいみどりのこと~★

島津製作所

環境問題、科学技術に触れる楽しさを知ってほしい

 

 1875年に創業し、西ノ京に本社を置く島津製作所。精密機器メーカーとして環境計測機器も手がけ、環境保全活動や環境教育活動に積極的です。1999年、女性社員中心のメンバー構成で、環境活動チーム「え〜こクラブ」が発足。女性独自の視点や感性を生かし、環境学習支援ツールの制作や、環境出前講座、職場から出る廃棄物のリサイクルなどに取り組んでいます。
 環境出前講座では小学生を対象に環境学習支援ツールを用いた学習や、計測器を用いた水の実験などが行なわれています。主に小学校4〜6年生を対象に授業を行なう中で、もっと低年齢から環境問題を意識してもらいたいと、同志社大学の学生とともに生物多様性についてわかりやすく楽しく学べるカードゲーム「bidi」を開発(デザイン・イラスト:京都精華大学の学生)。「ゲームは大好評で、授業で使った後、家庭でも楽しんでもらえているようです。遊びながら生物多様性について学んでもらえるとうれしいです。」と、え〜こクラブリーダーの岡崎 令子さんは言います。
 

 一方、理科離れが取り沙汰される子どもたちに科学に興味を持ってもらおうと、中学生を対象にした『島津ぶんせき体験スクール』を2008年に総務部がスタート。工作ではなく、製作(モノ作り)体験ができるプログラムで、簡易分光器を作り、分析装置(分光光度計)も実際に操作して色みつや葉緑素の色の違いを分析できます。島津の分析装置の開発に携わってこられたOBの方から専門的な話を聞くことができるので、生徒はもちろん引率の先生も夢中になるそうです。
 来年には、そんな「出前講座」と「体験スクール」のコラボ企画で、水質保全の講義の後に、分光光度計で実験をする「水」をテーマにした新しいプログラムも予定されています。ほかにもリサイクル活動と生物多様性保全の活動が融合するなど、社内のさまざまな取り組みが結びつき、環境問題、科学技術に、楽しみながら触れられる、たくさんの「きっかけ」が生み出されています。

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※この記事は2011年10月発行の「京のみどり60号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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