「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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緑化の取り組み 緑の応援団

京都リサーチパーク㈱ KRP9号館(下京区)

resarchpark.jpg「ビジネスの種を生む、オフィスビルの緑化」

 昨年10月、下京区の五条通に面する一角に、京都リサーチパーク(株)(以下、KRP)のオフィスビル(9号館)が新たにオープンしました。

 ブック&カフェなどの商業施設も入る9号館には、建物のいたるところに環境や景観、地域性などへの細かな配慮が盛り込まれていますが、今回は緑に関わる取組みを紹介します。

 訪れる人がまず気づくのは、通りと自然につながるオープンなテラス空間など、様々な形で緑とふれあう場所が用意されていることです。建物周りの植栽は、KRPの敷地にかつて平安貴族の邸宅があったとされることに思いをはせる「雅のresarchpark2.jpg庭」と呼ばれる庭です。「雅の庭」は源氏物語に登場する植物をテーマに、京都周辺の在来植物を中心としたなじみ深い植物で構成されています。また、絶滅危惧種(近畿レッドデータブック)である原種のフジバカマを使うなど、「生物多様性(※)」にも配慮して計画されています。

 建物内部にはテナント用の中庭があり、屋上には約130㎡の菜園スペースが用意されています。ここでは、KRP内の様々な企業からの参加者が集う「菜園サークル」が活動しています。

 10月にメンバーを募集すると、30人の定員はすぐに埋まりました。初めて野菜作りをする人も多く、イチゴなど果物の栽培にも挑戦、収穫祭も予定されています。「野菜の育ち具合が我が子のように気になって頻繁に様子を見に行く」、「寒さや害虫に耐えて育つ姿に自然の強さを実感できる」など、メンバーからは野菜作りに積極的に向き合う声が聞かれます。都会のオフィスビルにありながら、「土いじり」を通じて交流するという新しい取組みです。

 ビジネス空間ならではの工夫は他にも。たとえば、仕事の合間に水遣りをしてresarchpark3.jpgも、スーツや靴が汚れないよう区画間が整備されていたり、京都三山が見渡せる屋上にはテーブルやイスが設置され、異業種で集うメンバー間のコミュニケーションと気分転換に一役買っています。KRP9号館は、緑を通じて人がつながり、ビジネスの種が生み出される、新しい緑化空間の提案といえそうです。
※京都リサーチパーク(株)が属する大阪ガスグループでは「大阪ガスグループ生物多様性方針」に基づく事業所緑化を進めています。

*この記事は2011年3月発行の「京のみどり58号」の内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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