「京のみどり」情報:市民のみなさんとともに京都の緑を育てていく広報誌です。

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らくらく園芸講座

和の花を使ってガーデニングを楽しむ(夏~秋)

らくらく植物.jpg

■夏から秋に楽しめる和の花

 秋に向かってガーデニングで使ってみたい和の花をここに紹介します。
 秋の七草に数えられるオミナエシ、カワラナデシコ、キキョウ、ススキ、フジバカマ、ハギ、クズは、日本の秋を代表する花として、よく知られています。また、樹の花としては、サルスベリ、シモツケ、ヒメシャラ、フヨウ、ミヤギノハギ等があります。野原に生えるイブキトラノオ、イワギボウシ、ウツボグサ、オオバギボウシ、キリンソウ、ゲンノショウコ、コバギボウシ、サワギキョウ、ツリフネソウ、シモツケソウ、ダイモンジソウ、ヒオウギ、ホトトギス、マツモトセンノウ、ミズヒキ、ヤマジノホトトギス、ヨメナ等魅力的な草花が多く楽しめます。

※このコーナーで「和の花」とは、基本的に日本に自生している植物を指しますが、明治以前に渡来してなじみのある植物を 含みます。また、明治以降に渡来した植物でも花の形、雰囲気が和風と感じられる植物も「和の花」の仲間として扱います。

■樹木や石と合わせて庭で和の花を楽しむ

高木と景石(庭石)と草花の組み合わせらくらく高木との組み合わせ例.jpg

 ヒメシャラなどの高木と景石(庭石)と草花を組み合わせる場合は、初めに高木と景石と草花の中で比較的高性種(高く生長する種)の草花を選んで、不等辺三角形を構成すると、基本的な構図がまとめられます。後は、他の草花を草丈、花色、花の形態、葉の形態等の特性を考慮して散漫にならないように組み合わせて植えます。また、草花だけではなく、苔(スギゴケ、スナゴケ等)を草花の間に張り、植物間に空間を設けて自然に生えているように植えることがポイントです。

低木と草花の組み合わせらくらく低木との組み合わせ.jpg

 ミヤギノハギなどの低木と草花を組み合わせる場合は、低木に負けない草丈のある植物(たとえばススキ等)を選び、低木と不定形の対になる形で間に空間をとって配置を行います。二つの植物間にできた空間に、他の草花を数種組み合わせて植える他、タマリュウ等の地被を張り、空間をとって植栽すると、自然風に感じられます。

■コンテナで和の花を楽しむ

和の花に調和するコンテナらくらくコンテナ.jpg

 和の花を楽しむコンテナは、花と調和したコンテナを選びたいものです。日本では、古くから盆栽等の鉢植えで植物が楽しまれてきた歴史もあり、陶器の鉢は形も色彩も豊富で使用する植物にあった鉢を選ぶことができます。また、軽石や噴火石を鉢に加工したものや山野草用として造られた人工岩の鉢も和の花には調和します。しかし、輸入品のテラコッタ(焼き物の鉢)はデザイン上、使用を避けたいものです。

コンテナに植えた和の花

 陶器の鉢に様々な花を植えて楽しむ場合は、鉢の形によって植える植物を選択します。皿状の大きな鉢に植える場合は、草花の草丈に高、中、低(たとえばフジバカマ、カワラナデシコ、ゲンノショウコ)の変化を持たせて組み合わせると自然風に植えやすくなります。 人工岩の鉢に和の花を植えて楽しむ場合は、鉢を自然の岩に想定して、そこに植物が生えているように植えることが、この鉢を用いる場合のポイントとなります。 
 よって、植物も岩場や礫地に咲くような植物(たとえばイワギボウシ、ミヤマオダマキ等)を選ぶと良いでしょう。

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執筆・イラスト:駒井 修(こまい おさむ)/京都生まれ。一級造園施工管理技士。東京、京都の大手造園設計コンサルタント等を経て、2011年4月より緑化協会花と緑の普及員。公園、庭園、大規模な緑化イベント会場の設計など実績多数。特に近年は、花壇の設計・施工監理など、花に携わる業務に数多く携わっている。

*この記事は2011年7月発行の「京のみどり59号」から内容を掲載しています。

冊子は協会事務所(東山区円山町463)でお配りしています。

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